なぜ毎日頑張っているのに生活が楽にないのか?あなたの働き方を見つめなおす「働き方の損益分岐点」を解説
本日ご紹介するのはこちら
人生格差はこれで決まる、働き方の損益分岐点
マルクスの資本論、ロバートキヨサキ氏の金持ち父さん貧乏父さんを読んだ筆者が、この二冊をもとに「目指すべき働き方」を教えてくれる一冊です。
こんなに毎日仕事を頑張っているのに、なんで給料は上がらないんだろう?
いつになったら生活にゆとりがでるんだろう?
そう感じている人はぜひ読んでみてください。
読み終えるころには、
①今の資本主義で僕たちが置かれている状況が分かり
②なぜ一向に生活が豊かにならないのかが分かります
さらに、
③今後自分はどのように働いていけばいいのか
という人生の指針みたいなものも分かります。自分自身の価値観と向き合う内容もあるので、自己分析をするのにも役立ちます。
前半:労働者の置かれている状況
後半:どのように働いていけばいいかを考える
このような構成で解説していきます。ではさっそく見ていきましょう!
前編:労働者が置かれている現状
いまの働き方をずっと続けたいか?
YESの人は少ないはず。しんどくてストレスたまるし、早く解放してくれ、と思う人も多いと思います。
いつになったらこのしんどい働き方から解放されるのか。散々働いても給料はなかなか上がらないし、終わりが見えない。
そんな状況はラットレースだと言っています。つまり目の前の車輪をひたすら回し続けて終わりが見えない状態。
これを抜け出すには、しんどい働き方から幸せな働き方にシフトチェンジするしかないのです。
どのように幸せな働き方ができるのかは第二章でみていきます。
とりあえずここでは我々が置かれている状況をもう少し詳しく見ていきましょう!
頑張っても頑張っても給料が上がらないのはなぜか?
基本的に日本に住んでいる我々は「必要経費方式」で給料をもらっています。
わかりやすく言うと、生活に必要なお金を給料としてもらっています。だからどれだけ必死に死ぬ思いをしながら働いても一向に給料は上がらないのです。一部の完全歩合制の会社を除いて、努力・成果によって給料は上がらないのです。
「給料は僕たちの生活を豊かにするためにもらってるんであって、
生活費用だけでもらってるわけじゃないでしょ?」
と思われるかもしれません。この本によると、そもそも僕たちの給料に対する概念が異なっているんですね。ここでこの本での給料の定義を明確にしておきましょう。
「給料とは明日また同じように働くために必要な経費」
→生活費+明日も頑張れる最低限の資金=給料
企業は労働者の労働力を商品として買っているんですね。我々は企業から買われていて、しかも我々の労働力には値段をつけられているんです。
その労働力の値段を決めるのは会社で、何を基準に決めているかというと、明日もまた労働するのに必要なものの価値の合計なのです。衣食住とリフレッシュのための遊びとに必要なお金の合計が、我々の労働の値段、給料となるんです。
少し日本から離れて考えてみると分かりやすいかもしれません。
途上国の人たちの給料が低いのは、その国の物価が安くて、また同じ労働を提供するために必要とするお金が少ないからです。我々日本人と同じように衣食住に必要とするコストが国によって違ってきます。
だからたとえ、先進国と同じ価値を生む働きをしても、先進国と途上国とで給料が違うんですね。人件費が安いというのは、その国で生活するのに必要なコストが少なくて済むから、というわけなんですね。
残業をしたり成果を出しても、なぜ生活が豊かにならないのか
「生活に必要なお金だけをもらってる給料の概念はわかったけど、
残業して成果をあげれば生活は豊かになるのでは?」
実はこれ、どれだけ追加で仕事を頑張っても、やっぱり給料は必要経費なんです。
基本給に追加してもらえる、残業代だとか成果報酬っていうのは生み出した利益分もらえるのではなくて、「明日また同じように働くために必要な経費」で再生産に必要な分だけのお金なんです。
あなたは会社にとって追加の利益を生み出す。そこで発生するお金はあなたの生活を豊かにするためのお金ではなく、追加で発生した肉体的・精神的疲労を癒すためのお金をもらっているんです。
あくまで必要経費しかもらっていないから、どれだけ頑張っても生活が楽にならないんです。。
給料が上がっても生活は豊かにならない?
「じゃあ早いとこ年収1000万まで登りつめてやる!!」
と思われる方もいるかもしれませんが、ちょっと待ってください。その考え、見落としている点があるかもしれません。ここでは年収がたとえ1000万になっても生活は楽にならない理由をご説明します。
何度も説明してきましたが、給料とは必要経費分しかもらえないんでしたね。これは年収が1000万の人でも同じなんです。年収1000万の人の生活をのぞき見してみると、今のあなたの必要経費よりも多くのお金が必要になることが分かります。
家族に必要となる経費、ストレス負荷が強くなるから休息のための経費、それなりのポジションにつくので洋服にかかる経費など、年収が上がると同時にさまざまな経費もあがる。
これが、たとえ年収が上がっても生活にゆとりができない仕組みなのです。
後編:じゃあ私たちはどのように働いていったらいいのか
暗い話ばかりしてきましたが、お待たせしました!ここからはどのように働いていったらいいのかという話をしていきます!
その前にまずは、本のタイトルにもある損益分岐点という言葉を学びましょう!
損益分岐点とは
企業の会計業務で使われる言葉で、「売上=経費」の状態のこと。つまりこの分岐点を上回る売上をあげると利益が出て、下回る売上だと損をする。という指標のことです。
この章ではあなたの人生、働き方をこの売上と経費に見立てて、損益分岐点を探っていきます。
人生における損益分岐点とは
「上を目指して頑張る。」
「昇進して給料が上がる。」
そのような目標のもと努力することは非常に素晴らしいことです。
でも、そこに到達するには相当な費用がかかっていることを忘れてはいけません。
(ここでいう費用とは金銭面のことだけではなく、時間面のことも言います。)
例えば年収500万の人が600万稼ぐには、毎日の必死な努力、休日返上の出勤、深夜まで続く残業、さまざまな血のにじむような努力の末、得られるのが年収100万円アップという利益です。
この時の年収アップした成果を「売上」、その結果を得るために行った努力を「経費」とします。
この経費に対して売上が大きければ幸せや満足感を得られるわけです。下回れば疲労や割に合わない感を味わうことになります。
精神的苦痛をなくす(経費を下げる)
では、人生の満足感を上げるにはこの二つしか方法はありません。
①経費を下げる
②売り上げを上げる
一般的に売上(年収)は上がりにくいし、上がっても経費(精神的・肉体的苦痛)は大きくなりやすいです。そこで我々が意識したいのは「経費をいかに下げられるか」です。
その中でも肉体的苦痛は避けられないから、精神的苦痛を最低限に下げることを意識しましょう!
というのも、どれだけ効率的に働いても、だいたいの職場では決まった時間(約8時間)は働かなければならないですよね。つまり肉体的苦痛は下げられる限度が決まっているのです。
なるべく自分がストレスを感じない職場環境や仕事内容を選ぶことが大切になります。ただ、どのような仕事や環境がストレスが少ないと感じるかは、個人で差があるので自分と向き合うことが大切です。
一例をあげましょう。
数字に抵抗がなく、細かい作業が苦にならない ➡ 経理
初対面の人と難なく話せる、競争相手がいると頑張れる ➡ 営業
ここでキーワードとなるのが、「人よりストレスなくできる」です。
人より自分はこの仕事をしてもストレスがかかりにくい、といった職業を選んで挑戦してみましょう!
もし今の職場の人間関係が最悪で、どんな努力をしても今の会社のままでは働く環境が変えられない。働くことが苦痛だとしたら、十分転職を検討する対象に入ります。
労働を消費せず、投資する働き方をする(売上を上げる)
人生における経費、特に精神的苦痛をさげることが大事だと言いました。
「売上(昇給)をあげる方法はないの?」
実はしっかりそこも述べられています。
ここではそんな疑問を解説していきましょう!
結論、売上を上げるには投資する働き方をせよ!です。
医者や弁護士の給料が高いのは、その職に就くまでにたくさん勉強するための時間やお金(経費)をかけてきたからです。
この考え方をサラリーマンでも実践しましょう!
残業や目の前のノルマを達成するために毎日全力疾走するのではなく、毎日の働きが積み重ねになるような働き方をすることが大事になります。
積み重ねの働き方をすることで、その人がかけてきた経費(経験や知識)が積み重なっていきます。その結果、労働の価値が上がります。
労働の価値が上がると、少ない経費(精神的・肉体的苦痛)で大きな売り上げを上げることができるんです!
例えば、会社の社外取締役や顧問、アドバイザーは基本的にほかの平社員のようにはフルタイムでその会社にいるわけではありません。
しかし、フルタイムでその会社で働いている社員よりも給料をもらっていることがあります。
それは今までの働きが積みあがって、その人の労働の価値が高まっているから、少ない時間で大きな利益を生み出しているというわけです。
副業も考え方が一緒で、時間の切り売りになるようなアルバイトをするのではなくて、自分のスキルアップにつながるような副業をするのが大切。
残業をするっていうのは、定時に仕事を切り上げてUberEatsでお金を稼いでいるようなものです。残るのは強靭な足で(自転車の場合)、スキルとしては何も残らないですよね。結局は時間の切り売りになってしまっているのです。
この積み上げてきた経験は「資産」と呼ぶことができ、将来の資産を作ることができる働き方をするべきなのです。
残業や日雇いバイトのような「毎日の労働」で稼ぐのではなく、労働の価値を上げながら稼ぐことが大切だということですね。自分を資本にするという考え方もできるかもしれません。
例えば、物やサービスを売る営業をしているのなら、「販売力」を上げていくことでしょう。どんなお客様にどのようにアプローチしていけばいいのか、という経験を積むことができれば、きっとほかの業界でも活躍できるでしょうし、コンサルやアドバイザーなどの副業をしてより少ない労働で効率的に稼げるようになるかもしれません。
要するに、いま自分のやっている仕事を何となく毎日こなすのではなく、「いま自分は○○という能力を高めている!」と実感しながら働くことが重要なのです。
そして、その能力が希少であればあるほど、その人の労働の価値があがります。ほかの人が同じ仕事をしようとする時に、多くの時間やお金の経費を必要とする仕事の知識や経験を積むことで、自分の資産を作ることができる。
一年で1000万稼ぐ働き方ではなく、毎年100万稼ぐことのできる資産を作るべきなのです。
こうすることで、今の苦しい生活から抜け出し、豊かな暮らしを手に入れらるわけなんですね。
結論
本書の結論をまとめましょう!
①給料は必要経費なので、がむしゃらに頑張るだけでは人生の満足感は上がらない
②人生の満足感を味わうには、精神的苦痛をなるべく減らして、労働の価値をあげる
ではまた!